Sの彼は身長180センチ、ニューヨーク留学中に磨いたファッションセンスもバツグン。
みずから経営するデザイン会社の売り上げも年々上がっているし、結婚すれば悠々自適な生活をおくれるはず。
だが結局Sは半年後に彼と別れてしまった。
「スーツについたパスタソースをみて冷めた」のだという。
私はこういう話をきくたびに「もったいないなあ」と思う。
食事のマナーやしゃべりかたなどの後天的な欠点は、訓練次第でいくらでも改善できるからである。
気になることは口に出していわなければ、相手はいつまでたっても気がつかない。
Sは彼にただの一度も注意をしたことがなかったのだそうだ。
たしかにプライドを傷つけないよう、人に注意をするのはむずかしい。
相手が異性であればなおさらである。
だがそれを怠っていたら、欠点は永久に直らない。
結婚前、私も彼の食べかたが気になっていた。
職業柄しかたないのだが、とにかく食べるのが速い。
彼は食べものをほとんどかまず、アンコウのようになんでもひとくちで飲みこみ、パスタにおいては、まるでラーメンを食べるよう、ズルズルと音を立ててすすっていた。
つきあいだして三ヵ月目がすぎたころ、私は勇気を出して彼に正直にその気持ちを伝えた。
怒るか、それとも落ちこんで二度と口をきかなくなるか。
ピクピクしていた私に彼はこういった。
「わかった。努力してみる」その言葉どおり彼は努力を重ね、今では私の数倍もキレイに食べている。
彼の小さなクセがいやだからと、せっかくみつけた「原石クン」をほうりだすのはナンセンス。
後天的なクセであれば、真心をもって注意すれば必ず直る。
ちなみに私も彼から箸の持ちかたを長年注意されつづけているが、しかし、いっこうに改善する気配がない……。
人には厳しく自分には甘くでは、ルール違反なのだ。
そんなことわかっているけど……。
いくらいっても直らない四つのクセ浮気癖の他、直りにくいクセは次の3つ。
@虚言癖A借金癖 そして一番怖いのが、B暴力癖 である。
暴力をふるう両親の元で育った子どもは、高い確率で暴力癖を持つようになるという。
正しいメンタル治療をしないかぎり、このクセを直すのは至難の業。
必要なのは愛ではない。専門家の科学的な治療だ。
虚言癖もまた厄介である。
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